2016年6月11日土曜日

ここ2週間の蛾

すっかり気温も夏めき、見られる蛾の種類も徐々に豊富になってきた。
ここ2週間で出会った蛾を紹介する。

ミダレカクモンハマキ Archips fuscocupreanus
16.06.01, 東京都目黒区
このあいだ幼虫を紹介したが、ついに成虫を見ることができた。
体長20mmにも満たない小さく目立たない蛾だが、こういうものもきちんと名前が与えられ分類がされているという事実を改めて考えると、ほとんどめまいのする思いがする。


カノコガ Amata fortunei
16.06.03, 東京都調布市
昼行性の蛾。羽の鹿の子模様は半透明。
ウィキペディアによればフタオビドロバチに擬態(ベイツ型擬態)しているとされる、ということだが、それほど似ているようにも見えないのだがいかがだろうか。ある生きものが実際に別の生き物に擬態している、ということを説得力を持って示すのは、なかなか難しいようにも思われる。



ウメエダシャク Cystidia couaggaria
16.06.06, 東京都調布市
毎年この時期になると、梅のある果樹園の下生えをたくさんのウメエダシャクが独特のヒラヒラとした飛び方で飛んでいるのが見受けられる。クロマダラエダシャク、トンボエダシャク、ヒロオビトンボエダシャクなど、形・模様ともに似通った近縁種が多いが、ウメエダシャクは翅の端の模様が櫛状になっているのが特徴とのこと(1枚目の写真の個体ではやや不鮮明)。模様についててはカノコガにも似ているように見えるが、この辺も擬態という観点から考えていくと面白いかもしれない。ちなみに今週号のNatureに蛾の擬態と工業暗化に関与する遺伝子についての論文が1本ずつ掲載されていたので、そのうち読んでレビューを掲載しようと思う。





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